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『コンコン』

ももも著



夜中、今午前3時。

不意に、玄関のドアがノックされた。

怪しく思いながら、玄関の覗き穴から覗いた。

するとそこには、郵便局の人がいた。

「お届けものです」

薄暗い外の闇に、

その人は溶け込んでいるように見えた。

顔は目深く帽子をかぶり、

服も見たことが無いように思った。

とにかく、

文句を言うにも、何をするにも、

ドアを開けないといけない。

このマンションは、壁は薄いくせに、

ドアはやけに、厚かった。



でも、危険な場合も考えて、

チェーンを掛けたまま、

10センチよりも狭い隙間から、外を見た。


でも、そこには闇しか見えなかった。

そんなわけないと思い、何度も目を凝らし、探す。

1分以上探していたかもしれない。

さすがに、チェーンを外して外を見た。

けれど、そこにはやはり誰もいない。

それに、荷物も無かった。





何なんだと思い、またリビングに戻った。

パソコンを開き、キーボードを打っていく。

今、ちょうど会社の資料作りを終え、

もう遅いと分かっていたが、

最近はまっている無料の小説投稿サイトに、

小説を投稿していた。



題材で少し悩んでいたが、

今の出来事を書こうと思い、

頭の中で構想を練りながら、

手を動かしていった。



すると、あの出来事から10分程たった時、


コンコン


また、ノックの音が聞こえた。

「お届けものです」


また、同じセリフ。

そもそも、こんな夜中に来る郵便局の奴なんて

おかしいに決まってる。

無視、無視。



コンコン。



…………。



コンコン、コンコン。



…………。




コンコンコンコンコンコンコンコン。



「うるさいんですけど!近所迷惑ですよ!」


聞こえるはずがないのに、叫んでしまった。

あぁ、きっと隣の部屋には聞こえただろう。

明日、文句を言われる。

でも、自分の叫びと同時にノックの音が止まった。

ひとまず安心し、最後のラストスパートを

書き始めた。


コンコン


またか?


コンコンコンコン


しつこいな。


コンコンコンコンコンコン


いい加減にしろよ!


鼻息を荒くしながら、

ドアの鍵に手を掛けた時だった。




コンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコン………………





ものすごい早さでノックをしている。

ドアノブが壊れるくらい、音を立てて回っている。


「わぁーーーーーーーーーーー!!!!」

発狂して、リビングに駆け込んだ。

警察に電話するべきなのだろうが、

そんなこともできないくらい、怖かった。

耳を両手で押さえ、部屋の隅で縮こまった。

自分は、ノックの音が、

昔からあまり好きではなかった。

それはたぶん、あの時、

母も父も誰もおらず、一人で留守番していたあの日、

自分がまだ小さかった時、

隣のクレームばかり言いに来る人が、

しつこく、ノックし、ドアノブを回していたあの音が、

小さい自分にとって、とても恐ろしく、

トラウマになったからだ。





しばらくして、両手を耳から外してみると、

もう音はしなくなっていた。



息を整えて、ゆっくりと立ち上がった。

それから、ゆっくりと玄関の方へ歩いていく。

このままでは、安心して眠れもしない。


覗き穴から覗くと…………

そこには、誰もいなかった。


そして、力なく歩いて、パソコンの前の椅子に、

ゆっくりと腰かけた。






「お と ど け も の で す」




耳元で、声が聞こえる。

自分の目が、意識せずに見開かれていく。






そして、横から伸びてきた

ガリガリの骨だけでできたような白い手が、

自分の前に、荷物を置いた。

それはーーーー



あの日、トラウマができたあの日、

自分の隣の家に住んでいた人の、


生首だった。ーーーーーーー








そう、今、改めて思い出した。

あの隣の人は、僕の家を訪ねて、

自分の家に戻ろうとしたとき、

郵便配達のトラックに引かれて、

胴体と首が別々になって、死んだんだ。

しかも、不思議なことに、

その首と、

他の住民も見かけていたそのトラックは、

どこにも、存在しなかった。

そんなこともあったから…………

だから僕は、トラウマになったんだ。














自分は、もうあのマンションから引っ越した。

管理人さんが教えてくれたことだが、

数年前にもこのマンションで、

変な郵便局員から怖い目にあったといって、

引っ越した人がいるそうだ。




果たして、あの郵便局員は、

なぜ、現れたのだろうか。

それは、マンションが原因なのか?

その人自身が原因なのか?

それとも………………



今はもう、あんなことは起こっていない。

だから、今となってはもう、分からない。







(追伸)
これは噂であるが、この話を聞いた者、
もしくは書かれたものを見てしまった者、
あなたの前にもいつか、
この郵便局員が訪れるかもしれない。


どうか、お気をつけください。





ほら、今ーーーーーーー















コンコン



















小説のコメントコメント
この作品の著作権は、作者である ももも さんに帰属します。無断転載等を禁じます。

怖かったですか?
でもね…………
ほら、今
これを読んでいるあなたの家の玄関の前に
いるかも、しれませんよ?


フフフ…………
まぁ、怖がって頂けたのなら何よりです。
2020/01/26 01:02 ももも



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