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SF/ホラー/ミステリー

『血吸いバッタ』

源 新♀著



 私には昔から嫌いな虫がいる。体はケバケバしいほどはっきりした緑色で、口元だけが紅い。たいていの人は察しがつくだろうが、通称血吸いバッタとかいう虫のことである。
 ただでさえ紅が嫌いなのに、緑で強調されてはたまったもんじゃない。
 昔噛まれた記憶があるのも嫌いな理由の1つなのだが、色が1番嫌いである。
 むしろ、色が赤でなければ噛まれようが何されようがどうでもいい。殺されたとしてもそこまで嫌いにならないだろう。
 私がなぜそこまで紅にこだわるのか……。
 それは幼いときに見た、妹が巻き込まれた交通事故のせいである。たくさんの人が死んでいくのを見たのはアレが初めてで、アレっきりそんな場面に遭遇していない。トラックの運転手がうとうとしていて、青信号が黄色信号に変わったことにも、黄色信号が赤信号に変わったことにも気付かなかったらしい。
 あの事故では大量の血を見た。血の海とはあのような光景のことをいうのだろうが、私には血だけで辺りが形成されたようにしか思えなかった。
 なんで私が大嫌いな血吸いバッタのことを思い出しているかというと答は単純。さっきから血吸いバッタに追いかけられている。
 血吸いバッタを見かけて墓を通るのもお構いなしに逃げてきたら草むらに出た。曇天と比べるととても綺麗に緑が映える。そこについたとき、跳んでいるのかは知らないがある程度幅をあけて紅と緑が私に合わせ動いていることに気が付いた。
 不気味だ。
 得体の知れない恐怖に足がすくむが、血吸いバッタの方が怖いので進んでいく。家への道は分からないが歩けば取り敢えず道路に出るだろうと思っていた。
「……!!」
 私はここである事実に気が付いた。
 紅と緑が私についてきているのではない、緑の上に紅があるだけだ。後ろの方のそれは残ったままなので血吸いバッタである可能性はない。
 私は見覚えのある色に顔をしかめる。
 あのとき見た、紅色。
 紅い点がついている草は踏まれたような跡を残していた。足跡に似ている形だ……。
 この紅が落ちたものだとしたら何からだろう。草の上にできた模様を見るからに何かがしたたり落ちたということが推測できる。
 私は最悪の結果を思い浮かべながら深呼吸をしまぶたを閉じる。
 そして私は覚悟を決め、その血まみれの誰かの方を向いた。まぶたを開けることに恐怖を感じる。
 だが、まぶたは意外なことに何の抵抗もなく開いた。その代償として見るべきではなかったとすぐに後悔する羽目になった。



「なんで私のお墓を無視していったの?
 お姉ちゃん」

                  ───完

小説のコメントコメント
この作品の著作権は、作者である 源 新♀ さんに帰属します。無断転載等を禁じます。

 今回は虫に関するお話でした。楽しんでいただけましたでしょうか?
 誰か1人でも眠れなくなって下されば光栄です。
 ではまたいつか。
                    ×××
2018/06/15 22:57 源 新♀



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