『靴音福音』
秋雨著
カランコロン
カランコロン
いつも聞こえる君の声
今日はとても機嫌が良い
大きな声で呼んでみた
タッタッタッタ
トットットット
君は今日も答えてくれない
けれどこちらを振り返り
ふわりと笑う
その微笑みが
僕には眩しい
その微笑みは
ルビーにも似た
その微笑みは
彼女に向く
その微笑みは
彼女の母のものと一緒
僕は彼女の靴となった
母は君を
とても愛しているようだ
無口な彼女の
お喋りな表情
今日も僕らは幸せだった
無口な僕らは
今日も幸せだった

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初めまして秋雨です。
2018/04/13 21:44 秋雨