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現代小説/歴史小説

『ずっとあなたのそばに U』

ももも著



告白


彼に私の思いを伝えたのは、高校2年の終わり……
終業式を終え、私は決意した。
ーーーーー雄介に告白すると。

私と雄介は、小学校の頃からずっと一緒のクラスだった。元々のクラスの人数も、私達の地域では少なかったためか、みんな仲が良く、ほぼ中学校もそんな感じで楽しく生活してきた。
雄介もそんな中の一人。田舎だったからか、男子と女子が話したり、遊んだりしていても、変な噂が流れることも無かった。だからか、私は雄介をそこまで異性として相手にしていなかった。
けれど、高校は違う。
私達は県内の中心部ーー私達からすれば、十分都会と言える地域の高校に受かった。受かったのは、勿論私達だけでは無かったが、違う科に志望していた人が多く、私と同じ科に受かったのは雄介だけだった。
しかも、そんな雄介と同じクラスになった。少々心細かった私は安心したが、新しい高校生活で、3年間同じクラスになることを知り、なぜか少し嫌だった。

高校は、何かあるとすぐ噂される。あること無いこと、好き勝手に話され、人々に伝わっていく。
雄介は……その最先端に少し入っていた人だった。


田舎とは、違う。けれど、いつも通り雄介に接しようとしていた。でも、彼は……いつも沢山の女子に囲まれていた。私も、そこまで空気の読めない女子では無かった。
だから、私は黙って彼を見るだけになった。
でも、勉強面では、彼は私によくいろいろと聞きに来ることが多かった。だからか、私はよく色々な女子に妬まれることが多く、恨み言を言われた。




私は、そんな中でも、気づいたことがあった。
自分の気持ちだ。
彼に対する、この気持ち。
彼が他の女子と笑って話していると、とても胸が苦しかった。一緒に話していると、鼓動が高鳴るのが分かった。
そう、つまり……私は彼が、好きなのだーーと。



そうこうしているうちに、私は高校2年生となっていた。彼と沢山話す機会を作るために、同じ委員会や係になったり、ピアノが弾ける彼が、合唱コンクールの伴奏者になったとき、指揮者をやった時もあった。
私と彼は、今までよりも距離が縮まった気がした。




そして、3学期、
私と彼は隣の席になった。いつもより話す機会が倍になり……そして、この終業式の日に至る。




「ねぇ、雄介。放課後、ちょっといい?」
鞄に荷物を詰めて、少々ムスッとしている彼に、私はできるだけいつもの調子で言った。

「ん?あぁ、いいけど。で、何の話?」
いつも通り素っ気ない彼の様子を見て、自分の気持ちを悟られていないなと確信した。
「今話したら、わざわざ放課後話す意味ないでしょ〜。とにかく、荷物詰め終わったらさ、屋上来てよ。待ってるから。」
先に荷物を詰め終わった私は、屋上へ走り出した。彼の声がしたが、振り向くことはなかった。


「おい何の用だよ。ったく……さっさと帰りたいんだから、ちゃっちゃと話してくれよ。」
そう言いながら、彼は屋上の扉を閉め、私の前に腕を組んで立った。
「あっ、あのね……その……私ね……」
実際に言おうと思うと、なぜか、黙りこんでしまう。
恥ずかしい気持ちと、もし断られたら……という気持ちが混ざって、せっかくの決意が薄れかけてきた……。
その時、チッという、舌打ちが聞こえた。
「早く言えよ。俺だって暇じゃねぇんだよ。
大事な話じゃないんだったら、先に帰るぞ。」
そう言って、身を翻した彼を見て、咄嗟に言った。



「待って雄介!私は、私はね、雄介が……雄介が好き!!
友達としてじゃなくて、異性として。高校に入って、自分の気持ちに気づいたの。雄介が他の人と話してると、いつも、心が……苦しくて……その……だから……」



「は?今更、何言ってんだよ。」
「……えっ……」

一瞬フラれたかと、思った。だって、あんなに女子に囲まれてるんだもの……好きな女子くらい、いるだろうと。

でも、違った。彼は、頬を赤らめながら、そっぽを見て言った。


「今更言わなくても……俺は前からそう思ってるよ……
はっ、恥ずかしいのに、わざわざ言わせんじゃねぇよ……
ってか、俺の態度で解れよ。本当、桜夜は鈍いな。」


「なっ、何よ!あんたの態度でわかる奴がいたら、凄すぎでしょっ!もう……」

そんなことを言いながらも、頬が赤らめていた。
彼の気持ちが分かって、嬉しかった。
いくら口が悪くても、それは、彼らしい答えだった。

「とにかく、私への答えはイエス……?」
「読み取れよ」
「ちゃんと言ってよ!!」
「好きだ、これでいいか?」
「よくできました」
頭を撫でようとする私に反発しながら、私達は笑顔で、屋上から去った。



この日が、こんな告白だけで、済めば良かった。
でも、この後が……この後の出来事が……
私の目に焼き付いてしまった。



昇降口を出て、道路に先に出た雄介が……
私を振り返って見ていたせいで……
私のせいで……


プー〜ーーーーーーーーーー

「危ないーー!!」
バンーーーーー



「ゆうすけぇぇーーーっ!!」



彼は、私に告白した日に、トラックに跳ねられたのだーーーーー









次回  「障害」


小説のコメントコメント
この作品の著作権は、作者である ももも さんに帰属します。無断転載等を禁じます。

長くなりましたねw
読んでくださり、ありがとうございました!!
2020/05/02 22:26 ももも



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