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現代小説/歴史小説

『花火』

翠著



「そんなやつ、やめとけば?」
わりと仲の良い男友達の尋に言われたそれが私を変えた。
「やめとけばって、そんなん言われてもさ、好きなもんは好きなんだよ」
同じ学校で、同じクラス、仲の良いグループで花火大会に来ている私はそのグループに入っている尋に恋愛相談中。バイト先の五つ上の人に片思いしている私はその人が既婚者であることに悩んでいた。
「つかさ、相手にされねーべ」
うっさいな、と小さくいうも、笑われるだけ。
「短気で、子供っぽくて、女子力皆無で、馬鹿だし」
「いい加減泣くよ?」
散々な言われように本気でへこむ。
「花火始まるよー?」
友達の声につられて空を見上げる。
ヒュウ、と空に細い線が浮かぶ。
「あのさ、」
おお、とか、わあ、とか。
回りの声がうるさくて聞き取りづらい。
「え?何?もっと大きい声で言って!」
バーン、とビリビリと振動の伝わってくるような
大きな音が鳴る。それと同時に大きな花が咲く。
「たーまーやー!」
ふざけた男子の声、綺麗だねーという女子の声。
「俺でいいんじゃない?」
大きな声で、ではなく、私の耳元で囁かれたそれ。なにが?なんて聞くほどKYでもない。そんなに鈍感でもない。
「...良いかもね」
既婚者よりは健全で。
わりと仲も良いしね。
尋の顔を見上げた。
真剣なその様子に私達にはシリアスが似合わないななんて考えた。
「私、好きな人いるけど」
「俺の方を好きにさせる」
「私は短気で、子供っぽくて、女子力皆無で、馬鹿だけど?」
「そんなのも可愛いって思うよ」
こいつ誰だ?本気で思う。
「場所、変えよ?」
差し出された手を取るか否か。
バーン、大きな音。
私って狡かったんだ、自分で思っていたよりも。
「...ん」
あとに響くのは、花火の音でも、人のざわめきでもなく、カラコロと鳴る下駄の音。


私は次の日から、尋の彼女になった。

小説のコメントコメント
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2018/05/28 20:30 翠



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