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現代小説/歴史小説

『流離う貴方』

東雲 氷雨著



 目を細めたくなるほど眩い朝日を浴びて、目を覚ました。ベッドの上に備え付けられた棚から、手のひらサイズの目覚まし時計を手探りで探し、掴む。時計を見れば、今は午前八時らしい。眩しいわけだ。今日が休みの日だからと言って、今から再び眠るのはあまり良くないなと思い、起き上がると、其処には、信じられないものがあった。いや、居たと言うべきだろうか。
「お?目を覚まされたのですな!おはようございます、佐倉様。お初にお目にかかります。私、近江様より言付けがあって参りました、高見と申します。以後お見知りおきを」
起きてそうそう幻覚を見てしまうほど私は疲れているらしい。私の目の前に立派なセバスチャンもとい執事が居るように見える。しかも、私に話しかけているようだし・・・。
「そっか」
「ええ」
「これは夢なんだね。もう、びっくりして損した」
「ええっ?」
「私疲れているんだなぁ。もう一回寝よ」
「あ、あの、私は幻覚ではありませんよ!あの!佐倉様!?起きて下さいませー!!!」
少し涙目になっているのが可愛らしいおじいさんだと思った。それだけ。だってここに今実態がある本物の人が居たら、不法侵入だからね?わかってる?うら若き女性の鍵がかかった部屋に侵入しているんだからね?
「警察呼びますよ?」
「ひえっ!以外とドライなのですね、反応が!ではなくて、いえ、待って下さい。私怪しい者ではございません」
「いや、不法侵入している時点で不審者です。早くお引き取り願っても良いですか?」
「いえ、その、大家様には許可を頂いております。その、言付けだけでも聞いていただけませんか?」
今、聞き捨てならないことを聞いたよ?大家さんが許可したってどう言う事?
「まぁ、聞くだけなら構いませんが。取りあえず着替えたいので出て行って下さい」
そう言うと、セバスチャンもとい執事の高見さんは、気がつかなかったとばかりに大げさに驚いて、謝罪した。
「これは、申し訳ございませんでした。では、着替えはこちらを着ていただいてもよろしいですか?」
どうやら、着替えまで用意されているらしい。できた夢だなと思った。夢ではないようだけれど・・・。
 着替え終わると、外で待っていた高見さんがすごく注目を集めていた。当たり前だ。ボロいアパートの二階に壮年の雰囲気の良い執事がいるのだから、何事だと注目を集めるのは、当たり前なのに・・・気付かなかった自分が憎い。
「あ、あの。何故そのような目で見るのでしょうか?私、悪いことしましたか?そのように死んだ魚のような目で睨まないで下さい・・・」
この人、小動物みたいだ。嫌みの無いかわいさに絆されそうになった。恐ろしい。
「ま、取りあえず、ここから離れますよ!今すぐに!即刻!」
「かしこまりました!!!!」
そう言って、私たちは少し遠目のカフェまで走った。
周りのお客さんは、息の荒い私たちを見て好奇の目を向けてきたのは言うまでも無いだろう・・・。
 

             続く

小説のコメントコメント
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初めまして。東雲 氷雨と申します!よろしければコメントを頂けると嬉しいです(^-^*)
2018/03/02 22:23 東雲 氷雨



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