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ファンタジー/童話

『魔女集会で会いましょう 4』

千代華著



 その日から僕は魔女からいろんなことを教わった。
計算、読み書き、…炊事洗濯まで。
僕が知っている自分のことは思ったより少なかった。
比較的栄えてる街に住んでいた。街の名前は確か…アスキナ。
 
 お母さんは毎日鏡とにらめっこして、夜になると僕と弟と寝たきりの父を家に置いたまま、何処かに遊びに行った。3人分の晩御飯から弟は母の分を盛って、置手紙と一緒に残していた。弟はよく言えば頑張り屋で悪く言えば繊細だった。夜の澄んだ空気に響く甲高い笑い声と、壁を隔てて聞こえるすすり泣く声に包まれて、なんだかいたたまれない気持ちになった僕は、小さい部屋の中さらに縮こまるようにして眠った。
 
 ー僕は何をしたらいいのかわからない、
  でも今のままが嫌だ 誰も心から笑えない

 そんなことを考えていたからだと思う、僕が卑屈になったのは。
 弟と市場に食べ物を買いに歩いていた時だった。弟が花屋の前で立ち止まった。紫やピンクや黄色の花びらが、石レンガの白い壁によく映える。
「お兄ちゃん、この花買ってよ」
弟は赤い花を一つ、束の中から選んだ。
「お母さんにあげるんだ、きっと喜ぶよね?」
弟は僕を見てふにゃっと笑った。おかしな気分だった。
母は悪い人だ、僕たち家族を放っておいて。でも弟はそんな母ばかり庇護する。僕はまるで透明人間になった気分だ。
『僕は、みんなに見えてないのかな』
母への不満が爆発したのか、弟にあきれたのか、
僕は弟を街の中において、一人逃げた。
人の波に逆らうように走り続けても、世界は、周りの人は、
何もなかったように続いていくけれど。
繰り返しの毎日に終止符が打たれた。

そうして魔女に会ったんだ。



小説のコメントコメント
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主人公が魔女に出会うまで(?)を書いてみました

2018/03/24 15:29 千代華



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