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ファンタジー/童話

『魔女集会で会いましょう 2』

千代華著



「…もしかして、魔女?」
目の前を悠々かつ静々と歩く女の人に訊ねてみた。
先からこの森の中を15分ほど歩き続けている訳だが、何度も
同じような木々の分け目を迷いなく進んでゆく。
ただついていく身としては、ほんの少し気まずかった。
 投げられた声が僕のもので、それが自分に宛てられたものだということが分かると、女の人は振り返った。黒い上着のフードとまっすぐのびた前髪が女の人の目を遮っていたが、その口元は苦し紛れに少し歪んでいるように見えた。
 絵本の中で泣いていたあの魔女に似ていた。
『そう…魔女!魔女なの!!』
森の中に放たれた音は何度かこだまして、やがて空に消えていく。吹っ切れたように、脅かすように。そんな投げ槍で面白がるような言い方だった。
何を思っているのか、つかみにくい人なのだろうか。
あの人が? 魔女は皆? …
そう考えている間、時間が止まっているようだった。
『魔女』が僕の反応を待っていたのだった。
いかにも怖がるふりをするというのが大人だろうか。 
だとしたら僕はまだ子供なんだろう。
『…大人だね。街の中のどの大人よりも』
魔女の目には僕が違う風に映っているのか、それとも魔女は真逆のことを喋ってしまう口があるのか。
自分で自分のことを決めつけている、なんて考えは、はなから
なかった。他人の声、一般論を通して見える自分が本当の自分であるべきだから。大人たちはみんなそうだった。自分だけが外れないように、ひとりだけ違う考えを持たないように、後ろ指を指されないように。そんなことを気にしながら生きている。頭が重くなりそうなくらいに。 
 魔女の言葉に「違う」と違和感を抱きつつも、再び歩き始めた
魔女に倣って歩を進める。未だ魔女の靴は汚れない。

『…ここ、家』
魔女の声とともに視界が開けた。お菓子の家でもなければ壁一面にツタが絡まっているわけでも無く、至って普通な しかし石造りだらけの街とは違った、こぢんまりしたログハウスだった。それを取り囲むようにして針葉樹たちがそびえている。畑だって井戸だってそこにはあった。森の中で誰かがひっそり暮らしてそうな家。
 おもいっきり深呼吸ができるそこは、もう会えない祖父母の家を思い出させた。もうずっと忘れていたのに。



小説のコメントコメント
この作品の著作権は、作者である 千代華 さんに帰属します。無断転載等を禁じます。

稚拙ですが、コメント・感想 いただけると幸いです。

2018/02/26 18:46 千代華



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