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ファンタジー/童話

『神と呼ばれた者たち』

サラスヴァティ著



見渡す限り荒野しか広がっていない
そんな場所を一人の男は歩いていた
男には目的があった
男はまるで、その場所にたどり着きたくないような、
酷く重い足どりで歩いていた



今の世の中は、戦争が終わった平和な世界となっていた
しかし、戦争を終わらせたのは人だとは認められていなかった
特異体質と呼ばれる、奇妙な能力を持ち、迫害されてきた人達
戦争はこの者たちが終わらせた…
人々は、この者たちを神と呼び、戦争を終わらせた平和の使者
だと褒め称えた
……だから忘れていた
自分達がこの者たちに何をしたか


男は歩き、そして見つけた
男が探していた村が目の前にあった

『ようやく見つけたぜ…お前を救ってやるからな…』

男はおもむろに歩き出し、人探しを始めた


戦争を終わらせた者たちは徐々に変わっていった
ある者は特異体質が消え、またある者は特異体質が強まった
人しれず消える者、周りに受け入れられる者
その中でも一番多かった、戦争を終わらせた特異体質の持ち主の
末路は…闇落ちと呼ばれる、特異体質持ち限定の現象だった


男は見つけた、探していた人を
その人は、邪魔な者は全て消す…自分のおもいどうりに事を運ぶ…
5年前、戦争が終わった頃に村に転がり込んできた、
特異体質持ちの人間だった

『よお、久し振りだな…ガスパー』

ガスパーと呼ばれた特異体質者は振り返り、返事を返した

『本当に…久し振りですねマグナ隊長』

『この村にいたんだな…ガスパー…探したぜ?
なあ?今なら間に合う、罪を償わないか?』

その時、ガスパーと呼ばれる特異体質者の体が、
倍以上に膨らみ始めた

『…遅いんですよ、もう…後戻りなんか…
出来ないとこまで来ているんですよ』



闇落ちとは、戦争が終わったとほぼ同時に広がり出した
特異体質者の意思に関係無く、暴走してしまう現象
この状態で人を殺してしまう特異体質者も少なくない
結果、恐ろしい決まりを作るきっかけになってしまった
・特異体質者を殺せ
今まで神と崇めた人達は、手のひらを返し、虐殺を始めた
そんな中、助かる道は一つだけある
それは…
人間の実験動物になる事
死は絶対に訪れない
しかしそれは、死よりも耐え難い苦痛になりえる




『やめろ!俺はお前を救ってやりたいんだ!生きてさえいれば
どうとでもなる!一緒に償いに行こう!』

『嫌…ですよ、僕はまだまだ復讐していない…この能力を消すわけには
いかないんですよ』

『…………何がお前を変えちまったんだよ、ガスパー…』



5年前 戦場
『よおガスパー、俺のコーヒーはいれてるか?』

『せっかち過ぎですよ隊長…はい、どうぞ』

『相変わらず旨えなぁ…なあ?ガスパー、お前はこの戦争が終わったら
どうするか考えてるか?』

『取り敢えずは…帰りますよ故郷に』

『そうか…お前故郷に母さん残して来たって言ってたもんな…』

『はい、これからは母を助けて生きたいと思っています…
早く会いたい…戦争中はずっと思っていましたから』









『母は…特異体質者の親という理由で、殺されました』


ガスパーは語った…戦争が終わった後の地獄を
そして誓った、必ず復讐してやると

『隊長?…この話を聞いたからには…貴方には
死んでもらいます…中央部に知らされたらまずいので』

『悪いが…お前の尻拭いは俺がやるんでね
お前が説得に応じないのなら…殺さなきゃいけない』

『では…死ね!マグナァ!』

ガスパーの特異体質は【膨張】
その身を膨らまし、一切の攻撃を吸収する

対してマグナは【空気中の元素から武器を作り出す】
相性的には、最悪とも言える
おまけに、マグナはこれを上手く扱えない
では何故隊長を務めるのか?答えは簡単だ
特異体質を差し引いても強いからである


…最初から、ガスパーに勝ち目など無かった
それはガスパーにも分かっていた
彼は母が殺されたと分かった時、闇落ちした
彼は根が優しかった
彼はたとえ戦場にいても人を殺したくなかった
そんな彼が人を殺してしまった
懺悔に近い感情で彼はマグナに立ち向かい、殺されたかった
マグナもそれを薄々把握していた

『すまない…ガスパー…』

小振りなナイフを創り出し、音速を超える速度で振る
絶対防御が約束された特異体質の鎧をいとも簡単に切り裂く

……勝負は一瞬だった……



切り裂かれる刹那、彼はガスパーは…
微笑んでいた

『良かったんですよ…これで
隊長…僕は…あの戦場で…死ぬべきだった…
そう…思っています…あぁ、やっと会える
やっと親孝行が出来る…母さん…』

ガスパーはそれっきり動かなくなった


その場に立ち尽くす男は、自分の教え子を殺した
そして呟く、もう動かない死体に向かって

『救えなくてすまなかった…俺もそのうち、そこに行くよ…』




男は旅立つ、かつての仲間を探しに
かつて神と呼ばれた仲間達に会いに






小説のコメントコメント
この作品の著作権は、作者である サラスヴァティ さんに帰属します。無断転載等を禁じます。

こんばんはー!サラスヴァティです
久し振りに書きましたよ、ホント
これからも頑張って行きたいと思います
最後に、ここまで読んで下さった皆様、
本当にありがとうございました
2015/12/07 23:29 サラスヴァティ



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