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ファンタジー/童話

『お伽話の流星群 5』

千代華著



<ジューイ>

―そこには、星があった。

夜空に散らばった小さな宝石、
絵の具を滲ませたような夜の綺麗な蒼の濃淡に、
しばらく見惚れていた。
今まで、闇であると嫌悪していた夜の空にも
そこには星が謙虚に、けれども心強く灯っていて
ジューイは何故だか、「懐かしい」と思った。





はたと我に返ったのは、右手をかざしていた目の前の男の人が
不意にその手を下ろしたからだった。同時に、光っていた星も
空に埋もれるように徐々に見えなくなっていく。
 なんで星を? 
口からそうこぼれそうになるのを堪える。
彼の右手は、どうやら星と繋がっているらしい。
そうして彼は、足元の無造作なガラクタの中から
ランタンを取り出して、明かりを灯す。



 
彼にランタンを向けられ、そこでジューイはようやく
自分がその場にずっと立ち尽くしていたことを思い出した。
『星、みてたろ』
―あれは俺がやったんだ、すごいだろう
彼の目がそう自慢げに言っているので、ジューイは小さな反発を覚える。
「無い方が、よかったかもね」
フン、彼は面白くなさそうに鼻を鳴らす。
『じゃあ、お前の手で盗んじまえ』
そういうと彼は、右手を再び空にかざし、星たちを呼び戻す。
何故、冬でもないのにマフラーをしているのか、
一体全体、何者なのか。
訊きそびれてしまって、仕方なくジューイは彼に従うことにした。

『俺の手順を真似ろ』
彼はそういうが、実際、手順というものは曖昧で
右手で弧を描いたり、空を掻いたり。
「星を無しにする」はずなのに、
彼が先ほど、星空を闇に戻してしまったような、
スイッチのように簡単な手順ではなかった。
星は、無い方がいい。
という自分の意志だけが、確かだとジューイは思いながら。



小説のコメントコメント
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五話目です、

2019/08/03 23:24 千代華



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