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ファンタジー/童話

『お伽話の流星群 4』

千代華著



<ジューイ>
―ユルドが、星の本を読んでる

それが発端となり、ユルドは嫌がらせを受けるようになった。
中心となったのは、ジューイの友人たち。ジューイは彼らに祭り上げられる形で、それに加わった。
彼らの苛々の標的は、常にユルドに向けられ、ユルドはそれを何も言わずに受けていた。




なぜ、と理由を聞かれれば、それはいくらでもあるだろう。
 ひとつ言うならば、ユルドが星の本を読んでいたから。
星があると信じていたから。

「星はないんだよ!」彼らはそう言って、ユルドにぶつけるのだ。
それは、どこにでもあるようないびつな石、
あるいは、ジューイが心の奥に持っている感情の形かもしれない。

 ユルドは勉強ができるから。自分は大人たちに怒られてばかり。
厳しくて怖くて冷たくて。そんな大人たちはユルドには優しい。
さみしい。そんなことを自分が思っても、誰も気づかないかもしれないけれど。または、身勝手だと言われるかもしれない。




 ときどき、嫌になることがある。自分が良くない性格だということは、自分が一番知っている。明日は悪い所を直そう、と思うのだが隠して取り繕うとするほど上手くいかない。そんな不器用さも、
自分の嫌いなところだ。大人に叱られて、ごめんなさい自分でも直そうとしてるんです、なんて言っても多分信じてはもらえない。

 
 家に帰っても、家族といるのはなんだか息苦しく、ひとり部屋に籠っている。窓からは無機質な街灯の光り。夜は暗くて苦手だ。

でも、自分のほうがずっと嫌いだった。窓から忍び出て、ひたすらに駆ける。俺は、どうしたらいいのか。考えてみてもわからない。
 並んでいた家も、次第にまばらになり、やがて丘のようなところに出た。小さい頃に、来たことがあるかもしれない。五〇メートルほど離れたところに、男の人が立っていた。マフラーを巻いていて、吐く息が白く見えた。今は冬ではないはずなのに。その人の周りだけ時が止まっているかのような不思議な雰囲気がある。男の人は、夜空を見上げ右手を空にかざしていた。ジューイには気づいていないようだ。
 


 男の人の右手の示す方を見やると、そこには星があった。
 


小説のコメントコメント
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4話目、
2019/07/07 13:18 千代華



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