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ファンタジー/童話

『お伽話の流星群 3』

千代華著



<ジューイ>
僕がまだ小さかった頃、母さんに聞いてみたことがある。
――ねえ、星って本当はあるんでしょ。
  どうして見えないの?

 すると母さんは、困ったように笑って、僕の頭を撫でた。
――残念ね。母さんが子供のときからずっと、「星は作り話だ」
  って教えられてきたのよ。

 もし、本当に星があるのなら。ジューイがうんと大きくなれば、見ることができるかもしれないわね。

学校の皆の中でも、「星は架空のものである」ということは共通認識であった。「ああ、星はやっぱり無かったんだな」と知って、母さんがそう言っていたのを思い出し、猛烈に恥ずかしさがこみ上げてきたのを憶えている。
 
 
 ユルドが星の本を読んでいる。いや、本そのものは、全く違うものについて書かれたものかもしれないのだけれど。印刷された星の字に、まだ「星が本当にある」と信じていたときの記憶がじわりと滲むように思い出された。星は無いんだ。どうして見えないの、なんて聞いていた小さい自分が、今になって恥ずかしいと思う。星は、無いのだ。

「ユルドが星の本を読んでる!」
 教室中の視線が一斉にユルドの方に集まる。その言葉が、自分の口から放たれたことに自分でも驚く。本当のことを言えば、誰が何の本を読んでいようとそれを咎めることはないのだけれど、相手がユルドで、星の本だったのが悪かった。皆の常識としては、星は
作り話で、それを真に受けるなんて「サンタさん」や「魔法使い」を信じてるみたいで子供っぽくて恥ずかしい、ということなのである。


「星は、ある。ここからじゃ見えないんだ。」
うんと大きくなったら、見えるかもしれないわね。
昔の母の笑みと言葉が重なる。
頬が熱くなる。自分の気持ちをうまく言い表せないまま、僕はユルドを睨んでいた。目の前に、ひどい点数の答案用紙があったら、僕はそれを粉々になるまで乱暴に破っていたかもしれないし、あるいは、くしゃくしゃに丸めて力任せに投げ捨てていたと思う。
僕は、そんな奴なのだ。


小説のコメントコメント
この作品の著作権は、作者である 千代華 さんに帰属します。無断転載等を禁じます。

三話目。少しマイナスな感情強め、ですかね。
「サンタクロース協会」なるものがこの世には実在するそうです。
想像するだけで心ほっこりします。

2019/06/17 18:11 千代華



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