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ファンタジー/童話

『魔女集会で会いましょう 7』

千代華著



外の世界に出たい。自分の過去を思い出したい。


そう思い至ったのは自分の中の突飛な探求心のせいである。
思いつくと同時に私はこのログハウスを出る準備をした。

準備といってもまとめる荷物はない。小さいが畑もあったし、何より「ある日誰かが思いつきで散歩に行った」ように、家具も道具も
そのまま置き去りにされていたからだ。
 次にいつ帰ってくるかわからない。寒くなってはいけないからコートを羽織って、太陽が眩しくてはいけないから日傘を手に。頭の中で反芻しながら、これからの「散歩」、いや「旅」の支度をする。

なんだか寂しい気持ちが残っている。外に出たいと言ったのは自分なのに、家を出る前から不安に取り巻かれては。
心の弱さを断ち切るように、重い重い扉を閉め、心地よい空間を中に閉じ込めた。
空気が少し肌に涼しい、
日傘をぎゅ、と持ち直し、まっすぐ歩いていこうとした。

「行ってしまうのか。」
声のする方を向くと、其処には猫がいる。
はっきりし始めた記憶の片隅にいたあの猫だ。
古い切り株の上で、その細やかな毛並みを整えるべく毛繕いをしていた。
「……喋れたんだ。何故今になって」
率直な感想がこぼれる。なんだ、猫が喋れるのなら…
「喋ることができるのを知れば、あんたがあんたの世界を閉じ込め てしまうからさ」
 金色の瞳で、まっすぐに私を見据えた。黒猫のくせに。
陽に透けていくらか茶色っぽい。

「そんなに弱くない」
いくらか強がりであの黒猫に言った、その言葉が
私の心を強く押した。


森の中に溶け込んでゆくその姿を、猫はじっと見、欠伸をして
「ニャア」とないた。


小説のコメントコメント
この作品の著作権は、作者である 千代華 さんに帰属します。無断転載等を禁じます。

お久しぶりです
2018/09/25 18:16 千代華



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