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ファンタジー/童話

『魔女集会で会いましょう 5』

千代華著



 ある日唐突に、魔女は僕の知っている自分のことについて聞き出そうとした。何歳なのか、どうしてここに来たのか、
   元の名前は 何というのか、とか。

 もう魔女のところに来てから何年も経っているのに、どうして来たばかりの時に訊かなかったのだろう、という疑問と同じくらい、その魔女のガツガツな質問具合に少し驚いている。

『自分のことだろう…それとも、言いにくいことだったりする   か?』
 しばらくして魔女は少し引き下がった。のぞき込むように僕の視界に映る。昔は僕が魔女に見下ろされるほど小さかったはずなのに…。
 僕は背も伸びているし、顔つき、骨格とか色々変わっているのに、魔女は時が止まっていたかのように髪の長さも何もかもそのままだった。一緒に過ごしていたはずなのに…

   変わってしまったのは僕だけだ。

 その思考が頭をよぎると、捉えようのないふわふわした孤独感やもどかしさや儚さに苛まれるけれど、それはどうしようもなく今も頭の中をさまよっている。
 
 このまま、僕がよぼよぼになって死んでしまうまでこのままなのだろうか、僕だけが進んでいくのだろうか…。そう思うと、なんだかとても長いように思えた。自分が死ぬまでだなんて今から十分に長すぎるのだけれど。

 魔女に自分がここに来るまでのことを話そうか迷った。それだけ唯一忘れられないでいた。母のこと、弟のこと、二人を心の奥で嫌っていた卑屈な僕のこと。
 何度も口を開こうと、深呼吸をしているが、それでもなお息苦しい…。

「あ……、ごめん。思い出せない…」
 力なくそう口からこぼれた。情けないって思うだろうか。
でも、元の名前も、年だって忘れてしまっていたのだから…
と無理やりに言い訳をこじつけて、その日は魔女と二人きり(もともと二人きりだけれど)にならないように、自分の部屋に籠ったり、森の木々に隠れて時間が過ぎるのを待った。
  

小説のコメントコメント
この作品の著作権は、作者である 千代華 さんに帰属します。無断転載等を禁じます。

主人公の少年は、何年か経って「青年」に成長した設定です。
閲覧ありがとうございます
2018/04/04 09:29 千代華



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